コルクの産地ポルトガルの世界遺産17件

コルクの生産地ランキング1位のポルトガルには、世界遺産が17件あります。
文化遺産が16件、自然遺産が1件です。「マデイラ諸島のラウリシルヴァ」が自然遺産なので、それ以外が文化遺産です。

今回は、その17件の世界遺産を登録された順でご紹介しますね。
記事を書く私もドキドキワクワク^^

コロナで旅行も自由にできないこの頃……
写真付きでご紹介するので、少しでも旅行している気分になっていただけたら、私もハッピーです!

それでは、いってみましょ〜。
ポルトガルへGO! GO!

ジェロニモス修道院とベレンの塔

ジェロニモス修道院とベレンの塔

ポルトガルの世界遺産1件目は、首都リスボンにある、「ジェロニモス修道院とベレンの塔」です。

1983年に「トマールのキリスト教修道院」「バターリャ修道院」「アソーレス諸島のアングラ・ド・エロイズモ」とともに、ポルトガル初の世界遺産として登録されました。

ジェロニモス修道院とベレンの塔は、ポルトガル独自の建築様式「※マヌエル様式」を持つ、大航海時代の代表的な建造物です。

※マヌエル様式…ゴシックからルネサンスの過度期に生まれた独特の後期ゴシック様式で、マヌエル1世によって発展していった。大航海時代の建築家たちが、アメリカやアジアの建物から多大な影響を受けたのは明らか。海や航海に関するモチーフや、異国の地で見た風景を建築の表面に刻んだ、装飾豊かな様式。

ジェロニモス修道院

ジェロニモス修道院

ジェロニモス修道院は、インド航路を発見した「ヴァスコ・ダ・ガマ」と大航海時代の立役者とも言える「エンリケ航海王子」の偉業を称えて、ポルトガル王「マヌエル1世」の命令によって1502年に着工されました。

1551年に主要部分が完成し、そして着工から300年後の19世紀に最終完成しました。

ジェロニモス修道院の回廊

上の写真は、マヌエル様式の完成度が非常に高い回廊部分です。

この修道院の一番の見どころは、55m四方の豪華な回廊と中庭ではないでしょうか。
マヌエル様式の柱や泉、植え込みから成る空間では、大航海時代の華やかさを感じられます。

ベレンの塔

ベレンの塔

ベレンの塔の正式名は「サン・ヴィセンテの塔」で、リスボンの守護神の名からとっています。

ベレンの塔は「ヴァスコ・ダ・ガマ」のインド航路発見を記念した塔ですが、多発していた海賊などの攻撃から河口を守る要塞としての役目も果たしました。

ジェロニモス修道院と同様に、「マヌエル1世」によって着工。1515年から1521年にかけて、建築家の「フランシスコ・デ・アルダ」が指揮をとり完成させました。

塔には当時の砲台や王族の居室、礼拝堂などがあります。

空、海、島の大自然を背景にしたベレンの塔は、より神秘的です。

ポルトガルの世界遺産、ベレンの塔のベレンのマリア像。

ベレンの塔のテラスには船乗りたちの安全を守る「ベレンのマリア像」(上の写真)があり、そこから「※4月25日橋」を見ることができます。

※4月25日橋…ヨーロッパで一番長い吊り橋で、2778m。1974年4月25日に始まったカーネーション革命にちなんでつけられた。

トマールのキリスト教修道院

トマールのキリスト教修道院の教会2階にある聖歌隊席の写真。

ポルトガルの世界遺産2件目は、都市トマールにある「キリスト教修道院」です。

ポルトガル最大の修道院で、1983年に世界遺産に登録されました。

トマールのキリスト教修道院は、12世紀に※テンプル騎士団によって建設されました。それから16世紀まで増改築が続いたため、各時代に流行した建築様式がはっきりと表れています。ムデハル様式からゴシック、ルネッサンス、マヌエル様式まで、ポルトガル建築様式の歴史が見てとれます。

※テンプル騎士団…中世ヨーロッパで活躍した騎士修道会で、聖地エルサレムに詣でる巡礼者を保護するために創設された。

修道院の奥、サンタ・バルバラの回廊から見える「マヌエル様式の大窓」は豪華な装飾で、マヌエル様式の最高傑作と言われています。
大窓のモチーフは珊瑚や海藻、鎖などで大航海時代を象徴し、上部にはマヌエル1世の紋章とキリスト騎士団のマルタ十字が刻まれています。

上の写真は、トマールのキリスト教修道院の教会2階にある聖歌隊席です。聖歌隊席からも神聖な雰囲気が伝わってきます。

バターリャ修道院

バターリャ修道院。

ポルトガルの世界遺産3件目は、レイリア地方の都市バターリャにある「バターリャ修道院」です。
1983年に世界遺産に登録されました。

1385年に宿敵カスティーリャに勝利したジョアン1世(当時のポルトガル王)は、聖母マリアをたたえる大きな修道院の建設を命じたのです。

民衆は勝利を記念して、「戦い(バターリャ)の修道院」と呼びました。

バターリャ修道院はポルトガルのゴシックとマヌエル様式の代表的建造物で、ポルトガルの独立と誇りを象徴しています。
「威厳」という言葉がぴったりのバターリャ修道院、とても立派な佇まいですよね。

アゾレス諸島のアングラ・ド・エロイズモの中心地区

アゾレス諸島のアングラ・ド・エロイズモの中心地区

ポルトガルの世界遺産4件目は、「アゾレス諸島のアングラ・ド・エロイズモの中心地区」です。
アングラ・ド・エロイズモはアゾレス諸島の島、テルセイラ島の南西部に位置する都市です。

1983年に世界遺産に登録されました。
港町アングラ・ド・エロイズモの中心地区では、大航海時代の街並みや建造物などが保存されています。

大航海時代の15世紀にアングラ・ド・エロイズモの町が建設されてから、多くの歴史的建造物がつくられました。
「セ・カテドラル大聖堂」や「レデントール・デ・セ大聖堂」「ミゼリコルディア教会」「サン・フランシスコ修道院」など、聖堂や教会は特に多いです。
また海賊から身を守るためにつくられた「サン・ジョアン・バチスタ要塞」や「サン・セバスチャン要塞」などの要塞も、ポルトガルの歴史を語る上で重要です。

1980年にテルセイラ島を地震が襲い、建築遺産に大きな打撃を与えましたが、被害の多くは修復されました。現在は復興し、旧市街の建築物を保存するために努力が続けられています。

エヴォラ歴史地区

エヴォラ歴史地区

ポルトガルの世界遺産5件目は、アレンテージョ地方の都市エヴォラの旧市街地、「エヴォラ歴史地区」です。
1986年に世界遺産に登録されました。

石灰塗りの白い家並みが続くエヴォラは、よく「白い街」と呼ばれます。

エヴォラはローマ時代、標高300メートルの丘に※城塞都市として誕生しました。
後に国土回復戦争の拠点とされ、ポルトガルの黄金時代にはアヴィス朝の都とされるなど、政治上の重要な場所となりました。

※城塞都市…白壁で周囲を囲んで防御した都市。

アレンテージョの中心地でもあったエヴォラでは、ポルトガルの黄金時代に独特の建築様式が生まれました。エヴォラではマヌエル建築やゴシック建築、ルネサンス建築、バロック建築、ロマネスク建築など多種の建築様式が見られます。

上の写真は1世紀頃、皇帝アウグストゥスを祭るために建てられたディアナ神殿です。写真左に写っているのは、15世紀に建築されたロイオス教会。

↑ディアナ神殿の14本の柱と柱頭彫刻が、良好に保存されています。

エヴォラ歴史地区にあるエヴォラ大聖堂

↑12〜13世紀にかけて建立された、市で標高が一番高い場所にある「エヴォラ大聖堂」。

長い年月をかけて完成したエヴォラ大聖堂は、マヌエル建築、ゴシック建築、ルネサンス建築、バロック建築といったようにいくつもの建築様式で建てられました。

エヴォラ歴史地区には他にも「エヴォラ大学」「サン・フランシスコ教会」「マヌエル王宮」などの歴史的建造物があります。
エヴォラ大学では、2階建ての回廊にさまざまな※アズレージョを見ることができます。

※アズレージョ…ポルトガル伝統の装飾絵タイル。

アルコバサ修道院

アルコバサ修道院

ポルトガルの世界遺産6件目は、レイリア地方の都市アルコバサにある「アルコバサ修道院」です。
1989年に世界遺産に登録されました。

アルコバサ修道院はポルトガルの初代国王、アフォンソ1世によって建てられました。

修道院の正面は18世紀に改築されたバロック様式ですが、内部にはゴシック様式が残っています。修道院には、ポルトガル最古のゴシック様式を持つ教会があります。

また修道院の中の聖堂には、彫刻の施された石棺が2つあります。1357〜1367年にポルトガル王に即位していたペドロ1世と、ペドロの愛したイネスの石棺です。
この2つの石棺は、ポルトガルのゴシック芸術の中で最も傑出したものといわれています。

シントラの文化的景観

シントラの文化的景観の「ペーナ宮殿」

ポルトガルの世界遺産7件目は、「シントラの文化的景観」です。
リスボンに隣接する都市シントラの美しい景観は、1995年に世界遺産に登録されました。

かつてイギリスの貴族詩人バイロンは、シントラを「この世のエデン(楽園)」とたたえました。
緑豊かな丘が広がるシントラには、シントラ王宮を中心に山の上の城館や王侯貴族の別荘があちこちにあります。

上の写真は19世紀、フェルナンド2世がドイツの建築家を呼んで造らせたペーナ宮殿。ゴシックやイスラム、マヌエル、ルネサンスなどいろいろな様式が混ざった幻想的な宮殿です。

現在は市が色を塗りなおしてカラフルなペーナ宮殿ですが、以前は色褪せてほとんど灰色だったようです。
標高529メートルの山頂からは、シントラの郊外やリスボン市街、大西洋の絶景が見渡せます。

シントラの文化的景観の「ムーアの城跡」

↑7〜8世紀にムーア人が築いた城壁、「ムーアの城跡」。標高450メートルの山上にあります。
万里の長城を連想させるこの城壁の塔からの眺望も、迫力満点です。

シントラの文化的景観の「レガレイラ宮殿」

↑こちらは当初は王族の別荘として建てられた「レガレイラ宮殿」。

レガレイラ宮殿所有者が変わるたびに改装されています。20世紀初め頃にはブラジル出身の富豪が買い取り、イタリアの建築家ルイジ・マニーニによって大規模な改装がされました。

レガレイラ宮殿には井戸に続く60メートルのらせん階段や洞窟、飛び石などがある巨大な庭園があります。幻想的で迷路のような庭園では、非日常を感じられること間違いなしです。

お城がたくさんあるシントラ、まるで絵本のおとぎの国のようですね。

ポルト歴史地区、ルイス1世橋およびセラ・ド・ピラール修道院

ポルト歴史地区のポルトの街。

ポルトガルの世界遺産8件目は、北部にある都市ポルトの旧市街地、「ポルト歴史地区、ルイス1世橋およびセラ・ド・ピラール修道院」です。

ポルトの旧市街地は1996年に「ポルト歴史地区」として世界遺産に登録されましたが、2016年に「ポルト歴史地区、ルイス1世橋およびセラ・ド・ピラール修道院」の名称に変更されました。

ドウロ川北岸に築かれたポルトはリスボンに次ぐポルトガル第2の都市で、商業の中心地といえます。またポルトガルが世界に誇るワイン、ポートワインの産地としても有名です。

ポルト歴史地区には「クレリゴス教会」や「サン・ベント駅」、「サント・イルデフォンソ聖堂」「カテドラル」「大聖堂」「ボルサ宮」「サン・フランシスコ教会」「エンリケ航海王子の家」など、多くの歴史的建造物があります。

ポルト歴史地区にある、サン・ベント駅。駅壁がアズレージョで装飾されています。

↑20世紀初めに建てられたサン・ベント駅の構内。
壁を彩る美しいアズレージョはジョルジェ・コラコの作品で、ポルトに関する歴史的な出来事が描かれています。

見上げて見渡して鑑賞するアズレージョ、迫力満点です。

ポルト歴史地区にあるサント・イルデフォンソ聖堂。

↑サン・ベント駅東側にある、サント・イルデフォンソ聖堂。

1739年に完成した初期バロック様式で建てられた聖堂です。
サン・ベント駅と同様で、ジョルジェ・コラコがこの美しいアズレージョを描きました。

ルイス1世橋。

↑ドウロ川に架かるドン・ルイス1世橋。

1881〜1886年に建設されたドン・ルイス1世橋は、2階建て構造になっています。以前は2つとも道路橋でしたが、2005年9月から上がメトロと歩行者用、下が自動車と歩行者用になりました。

ポルトの街を見渡せる、上層橋からの素晴らしい景色は必見です。

コア渓谷とシエガ・ヴェルデの先史時代のロックアート遺跡群

ポルトガルの世界遺産9件目は、「コア渓谷とシエガ・ヴェルデの先史時代のロックアート遺跡群」です。

1998年に、ポルトガルのドウロ地方ヴィラ・ノヴァ・デ・フォス・コアの渓谷で発見された岩絵が世界遺産に登録され、2010年にスペイン西部のシエガ・ヴェルデの岩絵が拡大登録されました。

ポルトガルとスペインをまたぐこのロックアート遺跡群は、イベリア半島の旧石器時代の屋外絵画としては最大級で、「世界最大の野外ミュージアム」とも呼ばれています。

コア渓谷のロックアートは17kmにわたって点在し、1万〜2万年前の牛や馬、ヤギ、その他の動物、人間、植物、抽象的な図像など数千に及ぶ線刻画が描かれています。
紀元前2万2千~1万年頃の旧石器時代前期以降に描かれたと推測されています。

そんな大昔に私たちの祖先が岩に描いた絵……今でも見ることができるって奇跡的で不思議です。このロックアート遺跡群へ行った際は、はるか昔にタイムトリップしたような気分になりそうです。

マデイラ諸島のラウリシルヴァ

マデイラ諸島のラウリシルヴァ(月桂樹林)。

ポルトガルの世界遺産10件目は、「マデイラ諸島のラウリシルヴァ」です。

大西洋上の火山列島、マデイラ諸島の主島であるマデイラ島のラウリシルヴァ(※照葉樹林)は、1999年に世界遺産に登録されました。登録されたのは、2万ヘクタールのマデイラ自然保護区のうちの1万5000ヘクタールです。

※照葉樹林…冬でも落葉しない広葉樹で、深緑色で光沢が強い葉を持つ樹林。

マデイラ島には、氷河期以前の4000万年前~1500万年前頃に南ヨーロッパに分布していた照葉樹の原生林(写真上下)が今でも残されているのです。

マデイラ島の月桂樹林(照葉樹林)。


マデイラ島は平均気温18℃の温暖な気候で、ラウリシルヴァなどには花が1年中咲いています。

また、この島には古来の生態系が今でも残っていて、いろいろな動植物が生息しています。
70種以上の維管束植物(シダ植物と種子植物)や500種以上の無せきつい動物、絶滅危惧種のマデイラローレル鳩などが確認されています。

ちなみにマデイラ島は、高級リゾート地やマデイラ・ワインの産地としても有名です。

太古からの原生林、野生の動植物、色とりどりの花、ぶどう園……想像しただけで大自然の透き通るような空気が伝わってきそうです。

ギマランイス歴史地区

ギマランイス歴史地区のギマランイス城。

ポルトガルの世界遺産11件目は、北西部の都市ギマランイスの旧市街地「ギマランイス歴史地区」です。
2001年に世界遺産に登録されました。

ギマランイスは、ポルトガル王国を成立させた初代ポルトガル国王、アフォンソ・エンリケス(アフォンソ1世)が誕生した地です。そのため「ポルトガル発祥の地」といわれています。

ギマランイス歴史地区には、28メートルの高さの塔を持つ「ギマランイス城(上の写真)」が残されています。
ギマランイス城は10世紀に築城され、1109年にアフォンソ・エンリケスがこの城で生まれました。

今から1000年以上も前に築かれて初代国王が誕生したお城が今でも保存されているのは、世界でもまれではないでしょうか。

他にも「サン・ミゲル教会」や「ノッサ・セニョーラ・ダ・オリヴェイラ教会」「アルベルト・サンパイオ美術館」「ブラガンサ公爵館」「マルティンス・サルメント博物館」など60に及ぶ歴史的建造物や建築物が、ギマランイス歴史地区に保存されています。

ギマランイス歴史地区、ノッサ・セニョーラ・ダ・オリベイラ教会(オリーブの木聖母教会)前のアーチ「パドラオン・ド・サラド」。

上の写真はオリベイラ広場にある、「ノッサ・セニョーラ・ダ・オリベイラ教会(オリーブの木聖母教会)」前のアーチ「パドラオン・ド・サラド」。
教会は12世紀に建設され、アーチはムーア軍との戦いの勝利記念として14世紀に建てられたそうです。

「アーチが完成した時、教会前にあったオリーブの幹から葉が出てきた」という伝説があります。
今でも教会前に、その伝説のオリーブの木を見ることができます。

アルト・ドウロ・ワイン生産地域

ドウロ川上流ワイン生産地域

ポルトガルの世界遺産12件目は、ポルトガル北部アルト・ドウロ地方の「アルト・ドウロ・ワイン生産地域」です。
2000年に世界遺産に登録されました。

アルト・ドウロは山岳地帯を流れるドウロ川の上流地域で、ポートワインの産地として世界的に有名です。
山の斜面を利用したぶどうの段々畑が広がり、上の写真にもあるように美しい景観をつくっています。

アルト・ドウロ・ワイン生産地域では3000年〜4000年前のぶどうの種が発見されているため、太古から農業が盛んであったと考えられています。

ここでのワイン生産は3世紀〜4世紀に本格的になり、中世前半ではワイン生産は行われていなかったと推測されています。
その後12世紀の半ばに、ここでワイン生産が再び活発となりました。17世紀にかけてワイン畑の拡張が続き、19世紀末からはワイン畑はより広く、そして傾斜もつけてそれぞれの木に日当たりがよくなるように改良されています。

ドウロ川上流ワイン生産地域のぶどう園

↑アルト・ドウロ・ワイン生産地域のぶどう園。大自然の中できれいに並んだぶどうの木、素晴らしい環境で育てられている様子が見てとれます。
世界中から愛されるポートワインができるのも納得です。

ピコ島のブドウ園文化の景観

ピコ島のブドウ園文化の景観

ポルトガルの世界遺産13件目は、「ピコ島のブドウ園文化の景観」です。

ピコ島(写真上)はアゾレス諸島の島で、15世紀以来続いているワイン用ぶどう栽培の景観が、2004年に世界遺産に登録されました。

ピコ島のブドウ園

↑ピコ島のブドウ園。

ピコ島のぶどう栽培は、「溶岩のかけらを積み上げて作った石垣で防風と保温を行い、溶岩の割れ目にぶどうの苗木を植えて地面に這わせる」という独特の栽培方法です。
またぶどうの手入れや収穫は手作業で、果汁の絞り出しは足踏みで行われています。

ピコ島の糖度が高いぶどうから作られるワインは、18世紀にはヨーロッパ各地に輸出され、昔から高評価を得ています。
ちなみに現在、ピコ島で栽培されているブドウの80%が白ワイン用です。

ポルトガルの食の定番である「サルディーニャス・アサーダス(イワシの塩焼き)」や「バカリャウ(塩漬けにした干しダラ)を使った料理」と一緒にいただくピコ島の白ワインは、味わい深いこと間違いなしです。

国境防衛都市エルヴァスとその要塞群

国境防衛都市エルヴァスとその要塞群

ポルトガルの世界遺産14件目はポルトガル東部、スペインとの国境付近にある「国境防衛都市エルヴァスとその要塞群」です。

エルヴァスの塁壁に囲まれた歴史地区(旧市街地)と要塞などの歴史的建造物は、2012年に世界遺産に登録されました。

ポルトガルとスペインは昔からエルヴァスをめぐって何度も領土争いをし、17世紀から18世紀初めの間にエルヴァスは2度スペイン領になったこともあります。
こうした背景から17世紀〜19世紀にかけて、エルヴァスの旧市街地は世界最大級の星形の塁壁で囲まれ、周辺には星形要塞群が築かれました。

エルヴァスには「サンタ・ルジア要塞」や「グラサ要塞」「サン・マメデ小要塞」などの要塞以外にも、イベリア半島で最長の「アモレイラ水道橋」や「ノッサ・セニョーラ・ダ・アスンサオン教会」「コンソラサオン教会(ドミニカ教会)」などの歴史的建造物・建築物も保存されています。

コインブラ大学アルタとソフィア

コインブラー大学アルタとソフィア

ポルトガルの世界遺産15件目は、リスボンの北に位置する都市コインブラの「コインブラ大学アルタとソフィア」です。

コインブラ大学はポルトガル最古の名門大学で、アルタ地区とソフィア地区の両方にある大学の歴史的建造物群が、2013年に世界遺産に登録されました。

1290年にポルトガル王ディニス1世がリスボンに創立した大学が1308年にコインブラに移転し、その後リスボンとコインブラとで行き来を繰り返しました。そして1537年にコインブラのアルカソヴァ宮殿内に正式な大学として設置されたのです。

現在の大学は新しい部分と古い部分に分かれていて、見どころの歴史的建造物群は旧大学(上の写真)にあります。
学生たちが「カブラ(山羊)」と呼ぶ時計塔は18世紀に造られたもので、大学のシンボルとなっています。

また旧大学にあるジョアニナ図書館には30万冊以上の蔵書があり、金泥細工による内部装飾や調度品も豪華で素晴らしいです。
ちなみに2017年公開のディズニー映画「美女と野獣」に出てくるシーンが、ジョアニア図書館にそっくりだと話題になりました。

コインブラー大学のサン・ミゲル礼拝堂

↑ジョアニア図書館の右側にあるサン・ミゲル礼拝堂の内部。写真からでも並々ならぬ豪華さが伝わり、目を奪われるほどです。
礼拝堂内部の壁は一面、綺麗なアズレージョで装飾されています。

アルタ地区にある旧大学の建造物は、「ジョアニア図書館」や「サン・ミゲル礼拝堂」の他に「鉄の門(無情の門)」「帽子の間」などです。

ソフィア地区には12世紀にアフォンソ・エンリケスによって建てられた「サンタ・クルース修道院」があり、彼の墓も保存されています。
またソフィア通りには、16世紀〜17世紀にイエズス会が建設した多くの「旧コルジオ(旧学生寮)」が残っていて、現在は大学施設などに利用されています。

マフラの王家の建物-宮殿、バシリカ、修道院、セルク庭園、狩猟公園(タパダ)

ポルトガルの世界遺産15件目は、首都リスボンから北西に約30km離れた都市マフラにある「マフラの王家の建物-宮殿、バシリカ、修道院、セルク庭園、狩猟公園(タパダ)」です。

2019年に世界遺産に登録されました。

この建物は、「子供を授けてくれたら修道院を建てる」と神に誓っていたポルトガル王ジョアン5世と王妃マリア・アナに王女が誕生したことで、1717年にジョアン5世によって建設が開始されました。
バロック様式で建てられた外観は220mの長さで、部屋数は2000に及び、マドリードのエル・エスコリア宮に対抗し、イベリア半島で最大級です。

5万人の作業員を動員、13年かけて完成したマフラの王家の建物は、「国王と王妃の宮殿」「バシリカ(礼拝堂)」「フランシスコ派修道院」「図書館」「セルク庭園」「狩猟公園(タパダ)」などで構成されています。

高さ70mのドームを持つバシリカは建物中央にあります。ピンク、白、ブルーの大理石が施され、バチカンのサン・ピエトロ寺院を模倣している内部は見事です。

全長84mのフェミニンで美しい図書館には、約4万冊の蔵書があります。

中庭にあるセルク庭園は幾何学模様の植栽がなされ、今では四季折々の花が咲いています。庭園の向こうの狩猟公園(タパダ)では、昔、イノシシやシカ、ウサギ狩りが楽しまれていたそうです。

ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域

ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域

ポルトガルの世界遺産17件目は、ポルトガル北西部の都市ブラガの郊外にある「ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域」です。

2019年に世界遺産に登録されました。

エスピーニョ山の山頂にあるこの聖域は、ボン・ジェスス教会を中心とした聖堂群(上の写真)からなります。16世紀以降、プロテスタント(宗教改革運動)に対抗するためにカトリックによって築かれました。
カトリックの巡礼地でもあり、600段に及ぶバロック式の階段が教会へと続いています。階段下の展望エリアから見上げる教会と階段の景色は、まさに芸術で美しいです。

ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域

↑ボン・ジェスス教会と教会前の階段の装飾。

まとめ

コルクの産地、ポルトガルにある世界遺産17件を全てご紹介しました。

以下の17件です。
・ジェロニモス修道院とベレンの塔
・トマールのキリスト教修道院
・バターリャ修道院
・アゾレス諸島のアングラ・ド・エロイズモの中心地区
・エヴォラ歴史地区
・アルコバサ修道院
・シントラの文化的景観
・ポルト歴史地区、ルイス1世橋およびセラ・ド・ピラール修道院
・コア渓谷とシエガ・ヴェルデの先史時代のロックアート遺跡群
・マデイラ諸島のラウリシルヴァ
・ギマランイス歴史地区
・アルト・ドウロ・ワイン生産地域
・ピコ島のブドウ園文化の景観
・国境防衛都市エルヴァスとその要塞群
・コインブラ大学アルタとソフィア
・マフラの王家の建物-宮殿、バシリカ、修道院、セルク庭園、狩猟公園(タパダ)
・ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域

修道院やお城、宮殿などの歴史的建造物だけでなく、ロックアートや照葉樹林、ぶどう園など自然と関連した世界遺産も残されています。
ちなみに文化遺産ではなく自然遺産として登録されているのは、「マデイラ島のラウリシルヴァ(照葉樹林)」です。

日本の国土の4分の1のポルトガルですが、たくさんの世界遺産があります。
あなたはどの世界遺産が気になりましたか? 

ポルトガルのカラフルな街並みもとても魅力的です。
コロナが終息して、問題なくポルトガルへ旅行に行ける日が早く来ますように。

1か月くらい滞在してポルトガルの食や芸術、現地の人たちとの交流などを楽しみながら、世界遺産巡りしたいものです。

ポルトガルについてざっくりと知りたいあなたは、ぜひこちらの記事も読んでみてくださいね^^
→「コルクの産地ポルトガルってどんな国?

ポルトガル産コルクを使った、中国製コルクマット「エコルク」はこちら↓

ポルトガル産コルクを使った、台湾製コルクマット「クオリアム」はこちら↓

ポルトガル産コルクを使った、日本製コルクマットはこちら↓