コルクとは?

コルクマット以外にもワイン栓やコルクボードなど、身近にコルク製品はたくさん使われていますが、コルクは何からできていてどんな性質があるのでしょうか。コルクについてまとめています。

コルクとは?

コルクとは?

コルクマットやコルク栓、コルクボードなどの製品に使用されているコルクは、コルクガシ(上の写真)というブナ科の常緑高木の樹皮からできています。
ちなみに常緑高木とは年中緑色の葉をつけ、高さが10m以上ある木のことです。

ドングリから育てたコルクガシが約30年経つと、樹皮の厚みが約10cmに成長します。

コルクガシのどんぐりの実。

コルクガシの葉っぱは卵形で5月頃に花が咲き、12月頃に大きく細長いドングリの実が熟します。

↑こちらがコルクガシです。
樹高は20m程で、樹齢は150年から長いもので250年といわれています。

コルクの生産地

コルクの生産地はポルトガルが第1位で、コルクの生産量の50%以上を占めています。次いでスペイン、イタリアと続きます。

ポルトガルの主なコルク産地はアレンテージョ地方やリバテージョ地方、アルガルヴェ地方などです。オリーブの木に混じってコルクガシ林(上の写真)が続き、その木陰で羊や牛が気持ちよさそうに休んでいる風景も見られます。

コルクガシ林は地中海沿岸の地域に多く分布しています。夏は高温で乾燥し、冬は温暖で雨が多い、というような環境がコルクガシの成長に必要なんですね。

コルクの歴史

コルクの歴史はとても古く、紀元前700年にギリシアで使用された記録があるといいます。
ポルトガルには紀元前200年頃、ローマ人によってコルクガシの木が持ち込まれました。

日本に持ち込まれたのは1879年(明治12年)です。本州や四国、九州の太平洋沿岸の暖かい地域に、少しですが植栽されました。

コルクの作り方

コルクの作り方。

コルクはコルクガシの樹皮を約10cm、ぐるりと剥いで作られます。その後、樹皮は高温で蒸気処理されます。こうすることで弾力性が増すのです。

そしてコルクガシのぶ厚い樹皮からくり抜いて、ワイン栓が作られます。ワイン栓をくり抜いた後は、樹皮の残材ができます。その残材を砕いて、コルクマットなどのコルク製品に使われるコルクが作られるのです。

剥がされたばかりの木の表面はきれいなサーモンピンクで、だんだんと空気酸化して赤茶色(上の写真)から焦茶色、グレーの順に変わっていきます。
そしてコルクガシの樹皮を採取してから約10年後には、同じ木からまた新たな樹皮を剥がすことができます。1本のコルクガシから10〜18回、樹皮を収穫することが可能です。

木を伐採しなくても、私たちに繰り返し資源を与えてくれます。そんなコルクガシの樹皮からできるコルクは、地球にとてもやさしい素材なのです。

コルクの7つの特徴

コルクの特徴

コルクには弾力性、保温性、撥水性、吸音性、防虫性、難燃性、軽量性という7つの特徴があります。1つずつみていきましょう。

弾力性

コルクの弾力性

コルクには空気を含んだ小さな気泡がたくさんあるため、弾力性に優れています。

このコルクの弾力性は、コルクマットなどの床材に非常に生かされています。歩行の際に足腰の負担も軽減し、赤ちゃんやペット、ご高齢の方の転倒時でも衝撃を和らげます。

まさに天然のクッションですね。

保温性

コルクの保温性

コルクは周りの温度に影響されずに温度を保つ保温性にも優れています。

これもコルクの中に気泡があるおかげです。
気体は個体や液体よりも熱伝導率が低いため、空気を含んでいるコルクは非常に高い断熱効果を発揮するのです。

例えばコルクマットは、冬場でもマットの表面温度は下がりにくく、足元を快適に保ちます。夏場も周りの温度に影響されにくいので、表面温度は上がりにくくなります。

そのため、冬の暖房や夏の冷房の温度も保ちやすいというメリットもあるのです。
省エネにもつながり、地球にもお財布にもやさしいですね。

コルクの保温性は鍋敷きやコースターにも活かされています。

ポルトガルでは昔から、冷やした白ワインや温かいお昼ご飯をコルク製の容器に入れて、ピクニックや農作業に行く習慣があるそうですよ。

撥水性

コルクの撥水性

乾燥地帯で育つ天然素材のコルクは、撥水性も優れています。
水をほぼ通さず、もし水分が浸透してもすばやく乾こうとする性質があるのです。

コルクが使用されているコルクマットは、飲み物などがこぼれてしまった時もマットに水分がしみ込みにくくなっています。すぐに浸透してしまうカーペットやラグと比べると大きな違いです。

また、ワイン栓にコルクが使われているのも、この撥水性が理由の1つです。

吸音性

コルクの吸音性。

コルクは吸音性も高いです。
コルクの中の気泡が、衝撃音などの音を吸収するからです。空気を含んだ気泡は弾力性や保温性につながるだけでなく、防音効果も発揮するのです。

上の写真は玉が転がって音が鳴る木琴ですが、コルクのある部分は音が鳴らないのを利用して音楽を奏でていました。

このコルクの吸音性もあって、コルクマットは足音や物を落とした時などの衝撃音を和らげてくれるんですね。コルクの吸音性は、コルクマット以外にもマンションの床下地材などの床材に多く活用されています。

防虫性/低アレルギー性

コルクの防虫性と低アレルギー性

コルクは防虫性、低アレルギー性も併せ持っています。

コルクは自身の抗菌作用により、腐りにくくカビも発生しにくいのです。そのためダニなどの害虫を寄せつけません。

この防虫性もコルクマットの利点となっています。

逆にカーペットのように繊維のある敷物は、湿気もゴミもたまりやすいため、ダニが住みやすい環境です。

またコルクマットはダニを寄せつけないだけでなく、ホコリも出にくいので、ハウスダストアレルギー[ダニアレルギー]対策にも効果的です。

難燃性

燃えにくいという難焼性も、コルクの大きな特徴です。

コルクの気泡の中にはたくさんの窒素が含まれているため、燃えにくいのです。窒素は酸素と違い、物を燃やす性質を持っていないからです。

コルクの燃えにくい性質のおかげで、コルクマットは繊維のカーペットなどと比べると火事対策にもなります。万が一燃えたとしても有害ガスを発生しないので安心です。

軽量性

コルクは非常に軽い素材です。コルクは1㎤(リッポウセンチメートル)辺り、気体を含んだ2000万〜4000万個の微小な細胞で構成されており、1㎤の重さはわずか0.1〜0.2gしかありません。

そのためコルクマットは、はずして掃除機をかける時や水洗いする場合も簡単に扱えます。コルクマットを持ち運んだり移動させる際にも便利ですね。

このコルクの軽量性は、バドミントンの羽根球であるシャトルコックにも活かされています。

コルクのリサイクル

コルクのリサイクル

コルクは再利用が可能な資源です。

上記の「コルクの作り方」で述べたように、コルクガシから何度も樹皮を採取できるだけでなく、樹皮からできたコルク自体もリサイクルできる、優秀でエコな素材なんですね。

日本でも特にワイン栓は、企業が飲食店などから回収しています。

回収されたコルク栓は、洗浄・選別された後、粉砕され、コースターや最近ではスマホケースなど、また新たなコルク製品へと生まれ変わっているのです。

コルクの用途

コルクの用途

コルクは上記に挙げたように、コルクマット、コルクボード、ワイン栓、床下地材、シャトルコック、コースター、スマホケースなどに使用されていますが、他にはどんな物に活用されているのでしょうか。いくつかピックアップしてみました。

・宇宙船の断熱材
・車のエンジンやガスケット
・釣りざおのグリップ
・卓球ラケットのグリップ
・ソフトボールの芯
・花火玉の芯
・植木鉢
・靴/サンダル
・積み木

など挙げるとキリがないですが、コルクの風合いも活かしてインテリアをはじめ写真立てやペン立て、バッグなどの雑貨、ピアスやネックレスなどのアクセサリーにもコルクは大活躍しています。

まとめ

コルクとは

コルクは温暖な気候で育つ、コルクガシの樹皮からできます。
コルクガシの樹皮は何度も再生し、生涯に渡り資源を与えてくれるエコ素材です。

コルクの生産地ランキング1位はポルトガルで、スペイン、イタリアと続きます。

コルクは、弾力性、保温性、撥水性、吸音性、防虫性、難焼性、軽量性などの多数の優れた性質を併せ持つ、貴重な素材です。

コルクはその利点を活かし、私たちに身近なものから意外なものまで多種多様に使用されているます。

コルク自体も再利用が可能で、さまざまなコルク製品に生まれ変わっています。

地球にやさしくたくさんの長所があるコルクは、まさに大自然の恵みです。

そんなコルクが素材の大人気コルクマットについて書いた「コルクマットとは?コルクマットの8つの特徴」も、ぜひ読んでみてください。

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